✵病気発症のメカニズム①自律神経系

病気が発症するメカニズムとは?

 

私たちの身体、つまり、多細胞生物としての生体は、単なる分子、遺伝子、細胞内小器官、細胞の集合体ではありません。分析だけでは、この世のすべての現象が理解出来るわけではないので、細胞や、分子レベルの研究だけでは、病気の原因解明、治療にはつながっていないようです。

 

身体を機械と捉え、悪い所を薬で抑えることに重きを置いていることが、慢性病を抱えた人が増えている一因となっています。

 

病気は、調節系、防御系、循環系などのような系統の異常が、からだのあちこちの細胞を障害しているという形で起こっているものと考えられます。

 

からだを全体として捉え、全体として行われている働きから、病気を理解していくという流れが、統合医学、統合医療と呼ばれるもので、西洋医学の世界でも、そのような全体を見ようとする動きが進んでいます。

 

 

ストレスが病気発症の原因というけれど?

 

ストレスが病気を発症させる原因であるということを考える上で、重要なのが、身体に備わった3つのシステム(自律神経系、エネルギー系、免疫系(白血球)です。それらのバランスのカギを握っているのが、自律神経です。そして、ストレスに対して、最初にバランスを崩すのが自律神経なのです。

 

ですから、「自律神経の働き」を知ることは、ストレスを知ること同様、体調を崩さない上でとても重要です。

  

自律神経系の働き

 

自律神経は心臓や血管、胃、腸、汗腺など、内臓や器官の働きを調整している神経で、私たちの意思に関わりなく働いている。

 

・自律神経は交感神経と副交感神経からなる。

 

1,交感神経

 

・体調を活動モードにする。

 

(主に昼間の活動し、運動時、興奮した時に優位となる。アドレナリンという神経伝達物質が、分泌され、心臓の鼓動は高まり、血管収縮、血圧上昇などが起こる)

 

・エネルギーを消費モードにする。

 

解糖系・ミトコンドリア系がともに働く。

 

2,副交感神経 

 

・体調をリラックスモードにする。

 

(主に、休息時、食事、夜間の睡眠時に優位となる。アセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、心臓の拍動は緩やかとなり、血管拡張、血流が促進される。

 

交感神経と副交感神経は正反対の働きで、拮抗しています。交感神経が優位となると、副交感神経は抑えられ、副交感神経が優位となると、交感神経は抑えられます。二つのバランスにより、身体の反応も変化します。

 

交感神経と副交感神経が、絶えず、その時々の状況に一番ふさわしい調整を行ってくれているおかげで、円滑に呼吸、脈拍、体温調整といった生命活動が行えているのです。

 

参考文献

 

病気は自分で治す/安保 徹著

自分の免疫力で病気を治す本 安保徹、岡本裕 著

薬をやめると病気は治る/安保 徹著


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