✷病気発症のメカニズム④原因はストレス?

ストレスが病気の原因というけれど?

 

様々なストレスが「継続的な交感神経緊張状態」を作ります。つまり交感神経が緊張モードに偏り、それが継続的なものとなると、病気が発症するというわけです。(病気発症の原因の70%は交感神経優位で発症し、残りの30%は副交感神経優位で起こります。)

 

A. ストレスを受けると、体内では、ストレスを切り抜けるための反応がおきる。

 

交感神経のスイッチがONとなり、ストレスを切り抜けるための戦闘モードとなる。

 

①自律神経系:

交感神経が優位となり、血管収縮、血圧上昇、心拍数・呼吸数上昇、血糖上昇が起こる。

 

②免疫系:

けがなどに備えた防御態勢となり、顆粒球増加、活動も活発化する。

 

③エネルギー系:

瞬発力で切り抜けようと、解糖系が優位となる。

 

 

B. ストレスが「長期化」すると、次の段階へ進み、様々な病気が発症する。

 

①自律神経系:

血流障害が進むと、低体温・低酸素が起こり、全身の代謝が低下し、様々な病気を発症。循環器系に負担がかかり、心臓病が発症。高血糖により、糖尿病が発症する

 

②免疫系:

顆粒球が放出する活性酸素量の増加、組織障害が起こる(胃潰瘍など)副交感神経の働きが抑制され、リンパ球が減少、免疫力が低下する

 

③エネルギー系:

持久力をつかさどるミトコンドリア系の機能低下が起こり、エネルギー不足となり、たんぱく質の合成が滞る。結果、すぐ疲れる、倦怠感、やつれなどが生じる。

 

また、ミトコンドリアの機能低下に伴い、細胞分裂を抑える遺伝子が働かなくなり、正常細胞のガン化が起こる。

 

 

C. 交感神経優位の状態から一辺、身体は、守りの大勢に入ることもある。守ることが過度になりすぎることでも、不調をきたす。

 

①自律神経系:

副交感神経が過度に優位なると、副交感神経の過剰反応を起こす。アセチルコリンの作用が強まると、血管は拡張され、血流が増加される。血管が開きすぎることで、血液がよどんで流れにくくなる「うっ滞」が起こり、血流障害となる。

 

交感神経の緊張による血流障害と同様、低体温、低酸素を伴い、障害をきたす。排泄機能の亢進、知覚過敏など。

 

②免疫系:

リンパ球が増えることにより、アレルギー症状を起こす。

 

③エネルギー系:

解糖系、ミトコンドリア系ともに働きが抑制される。本来発揮できるエネルギーを使わないと、活力が失われ、気力・体力の減退、過食などが起こる。


大きなストレスとなりうるもの


①精神的なもの

 

不安感を感じる時の身体の反応


・ストレスに対して交感神経興奮→頻脈→不安に感じる

同時に、血管収縮→低体温となる。


・交感神経から、副交感神経に急激にシフトすると、副交感神経興奮→脈が遅くなる→活力を失う(落ち込む、元気が出ない等)同時に、活動低下→低体温を伴う。

 

②薬の服用


・消炎鎮痛剤による…(解熱剤、痛みどめ、湿布にも使われている)血流を止めて体を冷やす。炎症を氷で冷やすことも同じ。


・抗鬱剤、抗不安剤、睡眠薬、抗アレルギー薬なども交感神経が優位な状態を作る。


③無理をした生き方


・真面目で頑張り屋→交感神経優位な生き方


・若い時は急性ストレス→顆粒球の増加による粘膜破壊の病気になる傾向(胃潰瘍、潰瘍性大腸炎。ストレスが慢性化→40・50代パーキンソン病、がん。


・無理をして生きると交感神経が緊張→血管収縮、血流低下、血流低下にさらされやすい臓器で病気が発症しやすい。からだの組織は、血流が低下すると、いちばん血流障害に強い細胞=繊維が細胞への置き換えが始まる。これが肺や膀胱でおこる(間質性肺炎、間質性膀胱炎、肝臓で起こると、肝硬変。)


 以上のように、ストレスは、悩みや人間関係のストレスばかりでなく、働きすぎや薬の長期服用でも、心身に負荷をかけ、長期化すると病気を招くという過程を辿ります。


ストレスがない生活は、たぶんないでしょう。先ずは、ストレスとなりうるものを知りること、そして、自分の状態(ストレスを感じやすいのか?など)を知ることが大切ではないでしょうか?


参考図書:自分の免疫力で病気を治す本:安保徹、岡本裕著