梅雨の季節の養生法
季節には、それぞれ特徴があります。例えば、春は強い風が吹きます。夏は暑くて湿度が高い。秋は空気が乾燥する。冬は寒い。それらを、東洋医学では六気と呼びます。
その季節の特徴は、身体に対して影響を及ぼしています。しかし、その変化が急激であったり、大きかったりすると、人それぞれの体質や、その時のからだの状態により、季節の影響がある人にとっては強くなり、身体に悪影響を及ぼし、病気の発病の原因となります。
発病の原因となった六気を、「〇〇邪」と表現します。
風邪、暑邪、湿邪、燥邪、火(熱)邪、寒邪。
「湿邪」の性質
・重くて、沈む。
→湿邪に侵された部分が重だるいといった症状があらわれます。
・下に下がる
湿邪は身体に入りこむと下に行く性質から、下半身、下肢に影響を及ぼしやすい。そのため、膝、足首、脚などに症状として表れる。
・粘着性
特徴は、ネバネバ、ジメジメといった感じ。例えば、痰がネバネバする、汗がベタベタするなど。このことにより、ジメジメした雨の日や湿気の強い日に症状が悪化する。
・脾を破りやすい
湿邪が体内で停滞すると、脾の運化作用を妨げやすい。具体的には、食欲が落ちる、胸がつかえる、手足がむくむなど。
・気の巡りを妨げる
湿邪は重く、停滞しやすいので、気の流れを邪魔する。そのことにより、停滞した場所に痛みが発生しやすくなる。
湿邪がどこに影響するか(どの臓腑を犯すか)で、症状は変わりますが、梅雨時の「なんとなくすっきりしない体調の悪さ」や、「関節の痛みなどが増悪する」などは、質邪の影響だと考えられます。
✱そんな湿邪の影響が出やすい梅雨の時期はどう過ごしたらよいのか?
シンプルで、いたって普通のことかもしれませんが、適度な運動をして、過食をしない。
甘い物の食べ過ぎ(特に精製された白いお砂糖のとりすぎに注意)をしない。
さらに、冷たい物の過食をさける。
シャワーになりがちな季節ですが、浴槽につかる。(たまには、ちょっと熱めのお湯につかる)
食材は旬のものを取り入れるなど。
既に、関節痛など、どこかに痛みがある場合や、自律神経の乱れがある場合は、梅雨の時期は更にお辛いと思います。そしてすでに、生活習慣に気を付けていらっしゃると思います。
それでも、梅雨の時期を快適に過ごすことは難しいですよね。
そんな時は、鍼灸治療を加えてみてはいかがかなと思います。
湿邪の特性は、「重くて停滞する」でしたね?
ですから、重い物を動かすことに効果があるとされている「お灸」は、湿度が高い日本の風土にとても合った治療法です。
(ちなみに、鍼は、「気」を動かすことに効果的です)